写真は潮干狩りの風景。神奈川県の「海の公園」だ。
みんな下を向いて黙々と貝取りをしていて、面白かった。
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ぼくが写真部で写真の基礎を身につけたのは高校生の頃だ。
その頃先輩に勧められて、カメラ専門雑誌から色々と学んだ。
夜景を撮る方法はいくつかあるけれど、「長時間露光」もその一つだ。
その雑誌からでも学んだのだろう。ある晩、急に夜景を撮ろうと思い立った。
ただし、それはどんな風に撮れるか試してみたいって程度のことだったが。
ぼくはその晩カメラを抱え、そして・・・
なぜか母の運転する車で夜景を撮りに出たのだった。
写真のテクニックである「長時間露光」は色々ないたずらをする。
夜が昼間のように写ったり、車のテールランプが軌跡を描いたり、
その場の加減で写真全体の色が偏ったり、と。
ぼくがその晩撮った写真では、その日に黒い服を着込んでいた母が
体は写らずに顔だけが浮いて写っていた。まるで心霊写真だ。
面白くてクラスメイトに見せたらテレビの「お祓いコーナー」に
応募しようって話になった。
一人の女子に「これ本物なんだよね」って聞かれて、
いい加減に「本物だ」って言ってしまったんだよな。
その写真が大きく引き伸ばされてテレビに登場したのは、
それから一月後くらいだったか。
いい加減な坊さんが「これは本物だ」と言い、
フィルムを焼いたものを塩で清めなければならないと宣ったのだった。
母は少女の霊だと言われて喜んでいた。
ぼくは複雑な気持ちになった。
それから20年が経つけれど、そのフィルムはまだ手元にある。
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次回。宇宙人登場です。
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