2017年8月19日土曜日

2017/08/19 秘密基地 その7




秘密基地 その7

「凄い基地がある」と聞いて来てみたら、それは防空壕だった。
中は真っ暗。懐中電灯を点けると足元から壁までびっしりとカマドウマ?が張り付いていた。足元でサクサク音を立てていたのは枯葉ではなくその虫だったのだ。ショックだった。それでもぼくらはその防空壕の入り口から離れなかった。それはもちろん防空壕の凄さもあったけれど、それよりもいつも遊んでいるメンバー(ぼくら3人)以外の仲間がいることの特別な感じがあったからだ。
解散するのがもったいなくて、みんなで防空壕の周辺を見て回った。すると林の中(防空壕の上部に当たる)に、子供がやっと通れるくらいの狭い穴を見つけた。すっかり藪で覆われていたけれどその穴は防空壕につながっていた。
これはいざという時のための脱出口だったのだろう。
「これでカマドウマさえいなければ素敵な秘密基地になるのに」などと言って騒いでいたら、そこを自転車で通りがかった1人のおばさんが、「こんなところで遊んじゃいけない。もしも崩れたら大変。土に溺れるのは水で溺れるより何倍も苦しいのよ」とお説教を始めた。
カマドウマに恐れをなしてもう防空壕に入るつもりじゃなかったので、本当ならば「ここで遊ぶな」と言われても、じゃあ別の場所で遊ぶからいいや、ってなものだ。だけどぼくら3人は自分たちの秘密基地を壊された直後だったのもあってそのおばさんの言葉にムッとした。それでぼくは、
「なんで水に溺れるより苦しいなんてわかるの?土で溺れたことなんてないでしょう?」と、反論してした。
するとおばさんは目を釣り上げ、「あなたのお母さん知っているわ。言い付けるから」と叫び、「あなたたちがここから離れるまでここから離れない」と言って、防空壕の前に立ちふさがった。おばさんの剣幕におされ、その場を離れた。
そして結局、次の基地を探すことになった。


防空壕に洗礼を受けて、ぼくらの秘密基地作りは終わった。

防空壕レベルの基地を自力で作るのは大変な事なのだ。
ましてや基地作りのきっかけになったテレビドラマ、
「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」に出てくるようなものとなるともう、どこから手をつければいいのかさえわからない。ぼくらはただの竪穴(3人が座れる程度の)を掘る事すら断念したのに、覇悪怒組に出てきた秘密基地はコンクリート製で、梯子を使って地下に降り、居心地良さそうで、しかも潜望鏡まであるのだ。
秘密基地作りは努力に見合わない、、。早くもそんな結論に達してしまった。
水道(トイレ・風呂)・電気・エアコン完備の「家」は居心地が良すぎるのだ。その心地いい「家」を上回る秘密基地を作るのは不可能に思えた。
そんなこんなで残念な事?に、次なるぼくらの基地はまたも大人が作ったものになってしまった。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★



今回の写真はずいぶん前に撮ったもの。印象的な黒い雲だった。


続きはまた。

2017年8月13日日曜日

2017/08/14 夏休みと、ヒアリと、



写真は千葉県で撮ったもの。風力発電の風車。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

ヒアリのニュースが絶えない。

検索してみると蟻の種類はとても多く、現在およそ1万2千種類が見つかっていて、
日本では280種類が確認されているとか。

8月も半ば、夏休みだ。
ぼくは小学校3年生の夏休みほぼ一ヶ月を従兄弟の住む長野で過ごした。
従兄弟の父は蝶の採取を趣味にしていて、その夏休みぼくはその叔父とともに
虫取り網を持って何回か蝶の採取に行った。
一つ年下の従兄弟はあまり昆虫や蝶を捕まえるのを面白がらず、
ぼくの方が面白がっていたのもあって、その日は叔父とぼくと二人で蝶を探しに行った。
車でどのくらい走ったのか定かではないけれど、ある山の麓で車を止めると、
その山に叔父とぼくは分け入った。
普段人が入ることなどほとんどないのだろう、山は鬱蒼としている。
木々がぼくの視界を頻繁に遮る。
多分叔父はぼくの歩く速度に合わせてくれていたのだと思う。
それがしばらく山を登っていくと、どうやら目当ての蝶を見つけたらしく、
「自分が戻るまでここを動かないように。それからその辺の石は踏まないように」と
言い置句と、叔父は驚くほどの速さで山を登り始めた。
ぼくはしばらく叔父の背中を追っていたけれど、それはすぐに見えなくなった。
叔父の立てるガサガサ言う音が聞こえなくなってから、多分1分ほどは静かにしていた。
山の中にぽつんとしていて、ぼくはすぐにつまらなくなった。
そこには見渡す限り、木と隙間から見える曇り空と足元の地面しかない。
それを交互に見ながらここに素敵な蝶が現れないか、と考えたけれど現れず、
次に叔父を追いかけようか、と思ったけれど叔父がどこら辺りにいるのかもう
分からない。嫌になって下山するにもいくら乗り出しても道路が見えず、
ここには山道もなく迷子になるのが怖くて動くに動けなかった。
叔父が迎えに来るまで待つしかない。とにかく待とう。
そういうことになった。
ぼくはまた木と空と地面を交互に見ながら叔父を待つ。
どのくらい待ったのか、分からない。
あまりの退屈さにジリジリしていると、「石を踏まないように」と言った叔父の
言葉が思い出された。
なぜ石を踏んではならないのか?
ぼくは足元にあった大きめの石ころをちょん、と蹴ってみる。
それからその様子を叔父に見咎められないかと周囲を見回す。
が、何も起きない。
またただただ待ち続ける。
木を見て空を見て地面を見る。
と、足にアリがたかっている。
手で払う。
もう一匹アリがいる。
手で払う。
アリがどんどんぼくの足を這い上がってくる。
驚いて、数歩後ろに下がる。が、そのはずみで他の石を踏む。
と、その石の下からたくさんのアリがわらわらと現れてぼくの足をよじ登る。
少し怖くなって、抱えていた虫除けスプレーを足にかける。
それに驚いたのか、ありがぼくの足を噛む。
払いのけてもスプレーをかけてもアリは次々現れる。
そうしてしばらくアリと格闘していたら、叔父が戻ってきた。
追いかけて行った蝶を捕まえたのか逃げられたのかを聞かなかったけれど、
ぼくの足元を見るなり、石、踏んだのか。ここらの石の下はアリの巣だから、
踏むと怒って襲ってくるんだ。まぁ噛みつかれてもたいして痛くはないけどね」と
言い。それからぼくを連れて下山したのだった。
それ以来、ぼくはアリを見るとたまにその時のことを思い出す。
でもそれ以来、ぼくはそんなアリとは出会っていない。
でもきっと、それはそれほど珍しいアリではないのだろう、と思う。
ヒアリのニュースから、またその夏のことを思い出したのだった。
アリは1億年以上前にスズメバチの祖先から別れて進化したと考えられているそう。
通りでアリにも毒や羽があるわけです。
また今度スズメバチの思い出?も書きたいと思います。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

思ったより長くアリについて書いてしまったので、
「秘密基地 その7」は次回です。

2017年7月29日土曜日

2017/07/29 秘密基地 その6



写真は夜のトンネル。
13年ほど前、毎週末のように夜景を撮りに秩父へ行っていた。
当時(25〜27歳くらい)ぼくは自分の好きな時に好きなものを撮って、それだけで
身を立てていきたい(と言うか、単純に好きなことだけをして)
と、思っていた。

22歳で学校を出てから親元へ戻り、1年ほどは今で言うニートだった。

(ニートって15歳〜34歳までを指すって知ってました?)
ニートでいる間、何をどうすべきかわからず、何のアイディアも無く、
時の流れに身を任せたり抗ったりを延々繰り返していた。

学生(学校は関西だった)の時は誰かしら共に過ごせる友達がいたのが、

親元に帰省してからは1人だった。
両親や祖父や妹はいたのだけれど、中学・高校の友達とは疎遠になっていたし、
付き合っている彼女もなく、遊びまわる知恵もお金も無く、中途半端な若さと、
有り余った時間だけがあるのだった。

「定職につけ」とは言われなかった。

それはもしかしたら中学の時に進学を嫌がったぼくに「大学まで行きなさい。
その代わり、進学後はうるさく言わないから」を実践していたのかもしれないけれど、
たぶん実際はイライラし通しの息子をただ持て余していたのだろう。

ぼくは勉強ができなかったので、進学は苦痛だった。

小学校でギリギリ。中学校になるとどの教科もさっぱりで、
教科書の内容はまるで暗号だった。

そんなだから中卒で何か仕事に就いたほうが自分には良いと思っていたのだけれど、

母はそれを許さなかった。

だから、そんな風にして無理やりにでも進む大学ってのはもの凄い場所なんだろう

と思っていた。

ぼくが入ったのは芸大の写真科だったのだけれど、進学が決まった時には、もうこれで素敵な未来が約束されたと思った。


でもそれは大きな思い違いだった。


そして卒業後、有り余る時間と対峙した。
ベッドの中で縮こまっていると、無為に過ごした(と感じてならない)大学4年間が
ぼくを攻め立てた。

学生の頃とほとんど変わらず夜型の生活を続けていたぼくは、

昼頃になんとか目を覚まして、昼飯を兼ねた遅い朝食を食べ、
それからまたベッドに潜り込むと文庫本を読みつつ、うとうとする。
そんなことを何日も繰り返していた。

そんな繰り返しに耐えきれなくなったある夜、ドライブへ出た。


夜は優しい。


ぼくは思うままに走った。

向かったのは繁華街ではなく、飯能のさらに先にある秩父だった。
そうして行き着いた夜の秩父、とりわけ夜のダムは最高の舞台装置に思えた。
だからそれ以来、何度も何度もそこを尋ねた。
写真はそんなある夜に写したもの。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


「秘密基地 その6」


小学校の4年生。10歳の頃。ぼくは幼馴染と3人で近所の林の中に秘密基地を作った。

それは倒れて傾いた木にブルーシートをかぶせた簡単なものだった。
ある日、行くと、その基地は近所のおばさんの手によって壊されていた。
行き場の無くなったぼくらが自転車でウロウロしていると、
やはり自転車でウロウロしているクラスメイトと遭遇した。
彼らに「秘密基地が壊されてしまった」と話をした。
すると「すごい基地がある」と案内された。
それは壊されてしまった秘密基地と同じ林にあった。
ただそれは林の内側ではなくて、道路に面して土の盛り上がった林の側面にあった。
その入り口は垂れ下がった木の根や雑草に半ば埋もれるように覆われて、
まるで隠されているようだった。
それは防空壕だった。

「防空壕」の入り口は狭く、ぼくらは恐る恐る一人ずつ中に入った。

とても暗くて中の様子はわからない。ただ、意外なほど広いようだ。
少し先へ進むと足元に枯れ葉が落ちていてそれがサクサク音を立てる。
ただし、暗くてその葉っぱは見えない。
息苦しい。
すぐに外へ出ると、外の明るさに驚いた。
すぐに懐中電灯を取りに行き、またその防空壕へ集まった。

懐中電灯の明かりを点けて中へ入る。

それは四角い部屋だった。
広い。
ショックだ。
ぼくら3人が地下基地を夢見て散々ショベルを使っても、自分の背丈ほどの穴も
掘れなかったのに、ここは子供6〜7人が入ってもまだ余裕がある。
そして穴はもう少し先まで続いている。
土の壁は艶やかで滑らかだ。ここには木の根も飛び出していない。
とその滑らかな土壁が、ある地点から急に凸凹としている。
懐中電灯で照らしながら近づいて見てみる、、とそれは大量のコオロギ?
カマドウマ?良くはわからないがそれはそういった類の虫たちだった。
それが土壁のある地点から奥へ向かって密集して張り付いている。
そして気がついてみると、足元も一面その虫だらけだった。
靴に踏まれてサクサク音を立てていたのは落ち葉でなく、それだった。
ショックだ。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


続きはまた。

2017年5月16日火曜日

2017/05/16 秘密基地 その5




写真は千葉県、銚子の海です。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

ひどい買い物をしてしまった経験は誰でもあるだろう。
上げればキリがないほどぼくにはあるけれど、今回はその中から1つお話ししたいと思う。
それは高校3年生の終わりに買ってしまった 「マクラ」だ。
これはテレビ・ショッピングで買った。
多分テレビ・ショッピングで買い物をしたのはこれまでに2回)

ぼくは中学から大学を卒業する22歳まで良くテレビを見た。
中学高校の頃は受験勉強で徹夜のふりをしつつ、親が寝た頃を見計らっては
深夜のテレビを(これは主に、と言うか完全にすけべなものを)見ていた。
大学に入ってからは一人暮らしでこれはもう好きなだけ見た。
自分の理想とかけ離れた大学生活を送り、腐っていたぼくはテレビの中の幸せに
見える人々(楽しそうにクイズをしたり、ゲームをしたり、おしゃべりするのが
お仕事ってのがたまらない)に嫌悪感を抱いてはテレビの電源を切り、
それでも気がつけば電源を入れてじっと画面に見入る
といったことを日々繰り返していた。

その頃の友人の1人が「ぼくはテレビは持たない。テレビは怖から。だからラジオが
友達だ」などと言っていたのだけれど・・・スマートフォンはもちろん、
パソコンもまだ学生の間には普及していない頃だ・・・ぼくは彼の考え方に対して、
何をジジ臭いこと言っているんだ!ラジオなんて時代遅れで可笑しいよ!
と、思ってバカにしていた。

それが大学を卒業して一度親元に戻り(卒業後しばらく無職だった)、
仕事を始めて改めて1人暮らしを始めてからテレビを持たなくなった。
(気づいたら見てしまうからね)
そして今、相棒はラジオだ!ラジオ、もっと放送局があればいいのに、と思う。

話を戻して問題の「枕」。
その日ぼくは大学受験を終えて、晴れてテレビを見ていた。
それまで過酷な受験戦争に巻き込まれ、勉強勉強で徹夜の日々を送っていたので
毎日が睡眠不足でただでさえ冴えない頭に薄い膜まで張っていたぼくの前で
テレビ・ショッピングが始まった。
なんでその番組に引き込まれたのか、今となってはわからない。
その枕は確か外国の商品で、テレビの中で宣伝していたのも白人の男性だったか
女性だった気がする。
その商品は「仰向け寝でも横向け寝でも最高の枕」と宣伝されていた。

ぼくは、コレだ。と思った。
最高の眠り。
受験も終わり、
コレで最高の眠り&最高の日々が手に入る、と本気で思った。
なので「大学にも受かったし、この枕を買ってくれ」と母に懇願したのだった。
枕は英語でピロー。その枕は「コント・(X)ロー」って商品だった。

そしてピローが届いた。
その枕を使って、高校にして始めてぼくは肩こりってものを知った。
それは吐き気を伴うひどい肩こりだった。

最高の枕で最高の肩こり。

そんなはずはない。

信じたくなかった。でもこのピローで横になるだけで、もうダルいのだ。
届いて1週間ほどでこの枕はゴミになった。
それでも、以前の枕に戻しても、肩こりは治らない。
ぼくの大学生活は、肩こりとともにスタートした。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

この肩こりをどうやって克服したか。
それは、また次回にでも。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

さて、「秘密基地 その5」

小学校の4年生。10歳の頃。ぼくは幼馴染みの2人と3人で近所の林に秘密基地を作った。
傾いた木にブルーシートを被せて、その秘密基地はできた。
でも、いざ秘密基地ができてみると、その基地でできることはあまりなかった。
そこには冷蔵庫も、トイレもなくて、宿泊などできない。
ぼくらにできたのはただ基地の中にこもり、馬鹿話をするくらいだった。

だからその日、3人で集まった秘密基地が壊されていても、
ぼくはそれほど悲しくはなかった。
ただ、なんでこんな意地悪するんだろう、と思っただけだ。
基地を壊したのは近所のオバさんで、そのオバさんは前からぼくらが林へ入るのを
嫌がっていた人だった。

秘密基地が無くなり、隠れる場所を失ったぼくらは自転車で近所を走り回っていた。
そうしたら同じクラスの別の男子グループに会った。
「何してるの?」と話しかけてきたから、秘密基地が壊された話をした。
そうしたら、「すごい基地があるよ」と、打ち明けられた。
驚いてぼくは聞いた。「どこにあるの?」、
「この林の裏だよ!連れて行ってあげる」

それはぼくらの秘密基地と同じ林だった。
驚くべきものだった。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

続きは、また。

2017年4月21日金曜日

2017/04/21 秘密基地 その4




写真は前回に続いて銚子です。
最初、犬吠埼の灯台が目当てで旅行した銚子だったけれど、その後も度々訪ねました。
下調べをすることなく訪ねていた所為もあってか、海以外は印象に薄い。
ただ一つ強烈な印象に残っているのが夜のコンビニ。
銚子にはどうやら大学があるらしくて、ポツポツ学生らしき姿があります。
昼間は海などでデートしている姿もある。
それが夜になるととっぷりと暗くなるのですが・・銚子の夜は本当に暗いのだ・・。
そのコンビニはオアシスのように闇の中で輝いていた。
一組のカップルがそのコンビニから出てきて闇に紛れました。
コンビニの光の洪水から飛び出したカップルは彼ら自身も輝いているようにぼくには思えたのです。
光のオアシスから闇に紛れても2人は輝いている。
銚子には海があり山がある。
学生には若さと時間がある。
それが眩しくて、網膜に焼き付いた。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

秘密基地 その4

この秘密基地作り、ぼくの記憶では小学校3年生なのだけれど、基地作りのきっかけとなったテレビ番組「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」の放送から逆算すると実際はどうやら小4だったようだ。
地下基地にするつもりが深い穴が掘れず、結局は近所の林の中に陸上基地を作った。
覆いかぶさるように倒れた木にブルーシートを被せただけの簡易的な基地だ。
その基地に用意したものはイスと武器だった。
イスは雑誌を積み重ねたものでぼくらはそれに腰を下ろした。
雑誌は湿っていてずっと座っているとズボンまで冷たくなった。
武器も拾い集めたものばかりで、それはブーメラン代わりの鉄板や、
ムチ代わりのチェーン、それに鉄パイプなどだ。
物騒なものばかりだけれど、もちろん出番などなかった。
それから基地の中に小さな穴を掘って、中に枯葉を敷き詰めてペット代わりに
捕まえたトカゲの家にした。ただこれは出入り自由だったので翌日以降このトカゲは
帰ってこなかった。

ぼくらはこの基地に3日と空けずに集まったのだけれど、
残念なのは基地内ですべきことが無いことだった。
湿った雑誌に座り、おしゃべりするくらいのことしかできない。
テレビの「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」のような解明すべき秘密組織があるわけでもないし、
ライバルや敵がいるわけでもないのだ。
そうなるとせっかく作ったこの基地に隠れる意味も薄れてしまう。
それでも、基地に執着した。
自分たちだけの場所、秘密基地にはそれだけの魅力があった。

その日は基地に集まって間も無く雨が降り始めた。
ブリーシートを被せて作った基地は雨宿りにぴったりだ。
そのブルーシートを雨が打つ。
ぼくらは相変わらず湿ったままの重ねた雑誌に座り、
基地の中から雨の降る外の様子を見ていた。
ふと、ぼくは、周りの世界と自分とのつながりに違和感を感じた。
きっとブルーシートをバラバラ打つ雨音と、こうして雨宿りをしている単調な時間のせいなのだろうけれど、自分の中の現実感が揺らいだ。
その揺らぎで心拍数が上がり、ドキドキした。
でもその揺らぎは木々の切れ目から、誰かのさしている傘が横切るのが見えた途端、正常に引き戻された。
ぼくらは変わらず林の中に張ったブルーシートの下にただ座っているだけだ。

せっかくの秘密基地なのに物足りなかった。
退屈なのだ。
ここにはテレビもなく、お菓子もない。
そして何よりも「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」に出てくるような怪人や
事件ないことが口惜しかった。
それにこの秘密基地での探検気分も、トイレに家に帰ればすべて台無しだった。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

続きはまたです。

2017年2月19日日曜日

2017/02/19 秘密基地 その3




写真は以前、銚子を旅した時のもの。
風力発電の風車が沢山あって驚いた。
これは2008年だったから、福島で原発事故の起こる3年ほど前だ。
風力発電も原発事故の以前から日本でもそれなりに?導入されていたのがわかる。
銚子は海があるから風が期待できるのだろう。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


ところでインクの生産が終了してしまったため、
長らく使ってきたヒューレット・パッカード社のプリンターからbrotherのプリンターに
交換した話は以前にしたと思う。
ヒューレット・パッカードのものはProB9180というもので、これは確か8色インクで、
1色あたり4000円近くする代物。なので8色買うと実に32000円。ただし、
インク容量はたっぷりで、一番使うのが年賀状、次にGoogleマップの印刷で、
それから仕事の納品データのコンタクト・シート、と言った使い方をしていたので、
ぼくは10ヶ月に一度くらいしかインクの交換はしなかった。
だからこのプリンターのインク代を月々にすると、3200円ほどか。(・・計算あってる?)
なので、なんとか維持していけたのだ。
それにこのB9180は、高いだけあってとても印刷が綺麗だった。ちなみに本体は
当時48000円ほどだったか。
とても愛着があったのでインクの生産が終わっても何とか使い続けたくて、
考えた末、詰め替えインクに思い至った。そこで散々検索したところ、
ようやくとあるページに行き着いた。そこは中国の会社のもので、たどたどしい
日本語の解説がされている。
詰め替え自体が不安でもあり、またまだ販売を続けているのかも心配で、
さらにはカードでの支払いから商品の受け取りも心細かったので、
まずはメールで尋ねたのだった。
それが1日経ち、2日経っても返事がなく、日本の代理店と思われるところの
電話番号もなくて、だいぶヤキモキしたのだった。

再び、もう一通(今度はぼくの携帯番号も載せて)メールをした。
その返事を待ちつつ、知人には「詰め替えインクが実用的か」を聞いたのだった。
知人の答えは「割に合わない」ってものだった。
まず、詰め替えはなかなかに繊細な作業であること。
もう一つ、色の再現性が良くないってこと。
ただし、その知人が詰め替えに挑戦したのはかなり前のことで、
もしかしたら今は改善しているかもしれない、ともアドバイスされた。
不安と期待、半々でその代替インクのお店からの返事を待ったのだが返事は無く、
プリンター自体のインクが底をつき始めたのだった。

諦めて新しいプリンターの検討を始めた頃だった。
知らない番号からの電話がぼくの携帯にかかってきた。
職業柄、登録されていない番号からの電話がかかってくることもあるので、
その電話に出てみるとそれは営業の電話で、不動産に興味はないか?と言った
ものだった。ぼくは「結構です」と電話を切った。

それからだ。
定期的に営業の電話がかかってくる。
携帯の方で番号の着信拒否をしても相手は様々でどうしようもない。
かと言って、知らない番号でも仕事の可能性もあり、出ないわけにもいかず、
かと言って、新しい番号に変えるのも考えもの。
そうして、とりあえず話を聞き、営業となったら「結構です」と切る日々が
もう半年ほど続いている(今も)のだけれど、それが先月のこと、
仕事帰りで先方の駅の改札を通ったところで電話が鳴った。
見てみると相手の電話番号とそれが名古屋からのものだとiPhoneの画面に出ている。
毎度のことでぼくはそれがいつもの迷惑電話だと思った。

電話に出てみると相手は、名古屋の官庁で〜うんたらかんたら〜、
それからオタクの給料から天引きされている税金が〜どうたらこうたら〜
と言い出した。
いつもとは違うパターンだった。
詐欺師が自分を騙そうとしている。そう思って、ぼくは思わずカッとした。
「そんなものは無いはずだ」と言うと、
相手は「いやいや、毎月のお給料があるでしょう?」その中から〜うんたらかんたら〜
その辺まで来てぼくはこの電話をどうしよう?と考えたのだけれど、
交番に持って行ってどうにかなるのかもわからず、
またそこまで持って行く間、話をつなぐ自信も無くて、そうしたら、ますます
カッとなり「ぼくは無職だ!だから給料なんて無い。それをどう天引きするんだ!」
と、叫んだのだった。

すると相手は急にトーンダウンして「失礼しました。間違えました」とくる。
ぼくが「いやいや先ほどまで、なんだかんだ言ってたじゃん。もっと詳しく
話してよ」と言ったら、電話は一方的に切られた。

これ「還付金詐欺」ってやつだろう。
「オレオレ詐欺」に続いて最近、一番被害が多いそうだ。

ぼくは「無職だ」って叫んだので駅で周りから苦労しているな、と思われた。
多分。
しかし、被害額は凄まじいし、怖い。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

秘密基地 その3

地下基地を断念して、幼馴染の案内で近所の林に基地を作ることにした。
そこは今、他に誰かが秘密基地を作っていないことが不思議に思うほど、
ぼくには良い場所に思えた。
それでも林の奥深くへ行くのは怖くて、ぎりぎり通りからは見えない辺りを考えた。
すると丁度良い倒木がある。
それの木は別の木に寄りかかるようにして倒れていて、
それがそのまま屋根のようになっていた。
なのでぼくたちは、その倒木の内側の空間を基地として利用することにした。

まず基地になる内側に向かっている枝を切り落とし、それから外側のものも
邪魔になるものを切り、上からブルーシートを広げて屋根とした。
(ブルーシートは廃棄され良いてものを拾ってきた)
これで簡易的な秘密基地の出来上がりだ。

幼馴染2人とぼくの3人はその出来上がったばかりの基地に潜り込み
次の計画をあれこれ話し合ったのだった。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

続きはまた。

2017年1月23日月曜日

2017/01/20 秘密基地 その2




写真は銚子へ旅行した時に途中で出会った風景。
こんな風景は無性に懐かしい気持ちにさせられる。
ここは前回アップした写真と同様、千葉県の香取市に近いところなのだけれど、
正確にはわからない。
これがiPhoneならば写真から撮った場所を調べられる。
だから位置情報機能はとても助かる・・使い方によっては怖い機能ではあるのだが。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★


秘密基地(その2)

調べてみたらぼくが秘密基地に憧れるきっかけになったヒーロー物のドラマは
「摩天楼」ではなくて「おもいっきり探偵団 覇悪怒組」というものだった。
この中に出てくる怪人が摩天楼ならぬ「魔天郎」とのこと。
しかしどうも、「覇悪怒組」ハート組?ってのが、、恥ずかしいよ。
1987年に放送とのことだから、ぼくは10才、4年生か、、やばい、、恥ずかしい。

ともかくぼくはこのドラマを熱心に見た。
(内容はほとんど覚えていないのだけれど、潜水艦のような地下基地は魅力的だった)
幼馴染との秘密基地作りが始まった。
ドラマのイメージが強くて、地下基地に憧れていたからスコップで穴を掘る。
一生懸命に掘るのだけれど、当時のぼくらはまだ体が小さくて非力で、
一向に穴は深くならず、更には時々大きな石にぶつかり、その度に作業が遅れてしまう。
せめて自分たち3人が座れて、後はちゃぶ台が置けるくらいの地下空間を作りたかったの
だけれど、その程度を掘るのすら一苦労で、下校してからの基地作り(穴掘り作業)
に数日が費やされた。

それが驚いたことに、その日ぼくらが集まってみると、穴は格段に深くなっていた。
たったの1日でだ。
ぼくら3人は唖然とした。穴が広く深くなっているのも驚いたけれど、
その穴を掘り広げたのが当時70才越えの、ぼくのヨボヨボの祖父だったのだ。
「負けた」と思った。

そして祖父は「いい穴があったから使わせてもらう」と言い、
秘密基地になる予定だったその「穴」に落ち葉や枝などを集めると
焚き火を始めてしまったのだった。

ぼくはとても落ち込んだのだけれど、幼馴染の一人は切り替えが早くて、
「新しい基地を作ろう。まずは場所を探そう」
と、提案した。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★
☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

ここでぼくら3人の(ぼく目線での)性格紹介をします。

ぼく
1977年生まれ 
性格:浮き沈みが激しく、一人っ子に思われがち。実際は3人兄弟の長男。
   考えていることに行動がともなわず、イライラしやすい。おしゃべり。
   
A君 
1977年生まれ
性格:皮肉屋。理系。冷静。やはり3人兄弟の長男。
   基本的に人の考えに振り回されず、自分の考えで行動する。

B君
1977年生まれ
性格:争いを好まず、ぼくら3人の間でも一歩引いていた。
   冷静で慎重。口数は少なく芯が強い。

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☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

地下基地になる予定の「穴」を祖父に奪われてしまい、ぼくたちは新たな土地を
探し求めた。と言えば格好良いのだが、A君にアテがありぼくらは自転車でその
雑木林へ向かった。(自転車は最高の移動手段だ)

その林は、こんな良い場所になぜ他に秘密基地が無いのか不思議に思うほど、
素敵な場所だった。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

続きはまたにします。

☆ ★ ☆ ★ ☆ ★ ☆ ★

2017年1月ももう後半。
今年も何とか無事に生き延びれますように!!