2016年2月2日火曜日

2015/03/13 奈良の山中 深夜のドライブ(その2)

前回の続き。

22才の時、深夜に奈良の山中をドライブしていたら、助手席の窓越しに古い洋風の建物が覗いた。
その建物にはツタのモチーフに飾られた窓が、等間隔にいくつも並んでいる。
暗くて狭い道を走る息苦しさで、感覚に狂いがあったとしても、その建物は相当の大きさだった。

ヘッドライトに浮かび上がった外壁がどこまでも続いている。
今考えれば、せめて車を止めて車内からでもよく観察すべきだったと思うのだけれど、この時そうはしなかった。その変わりに車のスピードを落として、助手席の窓越しに建物の外観を観察した。
それはゾクゾクっとさせるデザインだった。この建物に気が付いた瞬間から、この窓には強い印象を受けたのだけれど、よく見れば窓を飾るツタに加えて鉄格子が張られていたのだ。
それは、檻を思わせた。
では、ここは刑務所なのだろうか?でも、この建物にはどこか超然とした印象もある。で、想像した。学校だろうか?でもそれにしては閉鎖的だ。病院か?病院・・ぼくはそれに違いないと思った。

捨てられた病院なのか、人の気配は無い。
山の中に、古い、石造りの大きな病院。

ここまで一人で考えてから、助手席で眠る友達に、「凄いよ」と声をかけた。
でも彼は、うーん、と唸るだけで起きない。
建物沿いに走り続けたら右手の木立が開けて、暗い山間にぼんやりと何かが見えた。

それが人工物だと分かるのに少し時間がかかった。それが暗かったためなのか、見たものが信じられなかったからなのか分からないけれど、現れたのはまるで要塞だった。奈良の山間に沈む石造りの要塞。

驚いた。
でも、唖然としながらも建物の天辺に十字架があるのに気がついた。
教会なのか。
さっきまでのあの病院のようなところも関連施設なのは間違いない。
それならば、教会がらみの病院なのかな。
看板のようなものは無い。この広大な施設以外、周りには何も無い。
静かで何の気配もない。

車の振動だけがリアルだった。

車を止める事無く走り抜けた。

それからしばらくは施設の強い印象を引きずりながら車を走らせた。
施設から離れても相変わらず周囲にはぽつぽつ街灯があるばかりだった。
それでもやっと道が開けたところで、助手席の友達が起きた。


続きは、、また、、。次回で完結します。

※暗い中で、建物の上の十字架が見えたのは月明かりを反射していたのか、
それとも十字架自体が光っていたのか分からない。ただとても自然な見え方だった。

写真は前回、今回とも秩父のダムです。
またいずれダムのお話もします。

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